■ 双身機関について

 

1995年3月結成 ―――

  2005年には商店街での市街劇『箱男と箱女』(原作:安部公房)を上演、 2006年にはパフォーマンス作品 『ファシズム!』

をもって韓国ソウルのギャラリー、 名古屋陶磁器センター、東京都美術館、三重県伊勢市のカフェを巡演するなど

常に既成の劇場ではない新たな空間との出会いを求め続けている。

また企画公演にも積極的に取り組み、2006年秋に元天井桟敷・高田恵篤演出による 『カッコー's ネスト』をもって名古屋・東京2都市公演を敢行、

2008年12月には千種文化小劇場との共催で同じく高田恵篤演出『奴婢訓』を製作、寺山修司の演劇世界を鮮やかに甦らせ衝撃を与えた。

 

“双身”とは、修験道など日本古来の信仰に見られる、男や女、善と悪の2対の神が一体になった姿を指す言葉である。

そこには西洋の二元論とは異なる日本人独自の価値観が現われている。

双身機関という劇団名には、近代以降忘れられつつあるこうした思想を単に回顧するのではなく、

現代のシステム(=機関)に活かすための方策を探ろうという決意が込められている。

台詞偏向に陥る近代以降の演劇状況に対して、身体や空間との関わりから表現の手段を捉えなおし、

前近代と近代、西洋と東洋といった二元論を超克する。

公演毎のテーマとも合わせたこうした活動を通し、社会の新しい方向性を提示したい。

また公演以外にも、活動の成果を広く一般の人に還元するため、 様々なワークショップ、上映会などを多数開催している。